君がうたう七つの子
「レイ」

「なぁに?」

「今度はレイのお願いを聞かせてよ。

さっき僕のお願いを聞いてくれたんだから、次はレイの番だよ」

レイは驚いたように僕と視線を合わせて、確かめる様に見つめてきた。

僕はそれに頷いて、彼女の言葉をじっと待つ。

僕が何をしてもレイが居なくなってしまうというのなら、せめて、レイの為に何かしたい。

そう、強くおもった。



レイは少し迷うようにして、何度も口を開いては、躊躇して口を閉じる。

「レイ。なんでも言ってよ。

レイと僕との仲だろう?

今更、遠慮するなんらしくないよ」

いつ終わりが来るのか知らない僕は、焦ってレイを促す。

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