君がうたう七つの子
僕の突然の告白に驚くことも出来ずに、ただ唖然とした彼女は、次の瞬間頬を赤らめて下を向いた。

静寂が場を支配して、数分。

伝えたいことを伝えられた僕は、達成感に包まれながら、未だ顔を下げたままの彼女の頭頂部を見ていた。

微かに見える耳は、まだ赤らんでいる。

もしかして、このまま消えてしまうんじゃないかと、声をかけるべきかどうか迷っていると、意を決したように顔を勢いよくあげた。

「今からすること・・・・怒らないでね」

何をするつもりなのかという僕の疑問は、言葉にする前に、彼女によって解決された。

物凄いスピードで僕のほうに近づいた彼女は、目を瞑り、僕の顔に、顔を寄せて



キスを―――した



目を開けたままの僕は、目の前の彼女の顔を見て、唇に感じる微かな冷気を感じて、それを理解する。

けれど、理解はしても、頭ではわかっていても、感情が追いつかない。

いつの間にか離れた彼女は、僕の唖然とした表情を、まるでいたずらが成功した子供みたいに笑った。

無邪気に、笑った。

最高の笑顔で。

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