君がうたう七つの子
感傷に浅く浸る中、ふるさとの音色はまだ聞こえるけれど、僕の頭では七つの子、所謂カラスの歌が流れる。


からす なぜ鳴くの からすは山に
可愛い七つの子があるからよ
可愛い 可愛いと からすはなくの
可愛い 可愛いと なくんだよ
山の古巣へ いってみてごらん
丸い目をした いい子だよ

ふと僕は彼女の歌を思い出して笑い、次第に目の前が滲んでいった。

きっとあまりに笑いすぎたから涙が出てしまったのだろう。

いなくなっても僕を笑わせて、更に泣かせるなんて、さすが。

僕の中で賞状をあげたいほどの快挙だ。

―――もはや、直接あげることはできないのだけども。

まあとにかく、彼女の歌はそう思えるほどに面白くて、滑稽で、音が外れていて、透き通っていて、そして愛しいものだった。

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