君がうたう七つの子
僕が恥かしがるのを見たいのだろうが、生憎そんなに甘くない。

どれくらい甘くないかと言うと、そうだな。

チョコのカカオ成分が八十五パーセントくらい甘くない。

・・・食べた事はないけれど

「本やドラマの見過ぎだね。たまたまだよ。

前世になにかあったとしたら、レイが野菜で、僕はそれを耕す農民だね。

それくらいが分相応ってやつだよ」

「えー、何それ。私人ですらないじゃない。」

「大丈夫。きっと僕が野菜の女王として立派に育て上げただろうから。

きっと市場で高く売れたよ。

もしかしたら、将軍様や、お殿様に食べて貰えたかも。やったね。」

「そういう問題じゃないでしょ、もう」

レイはお手上げだと言わんばかりに手を上げて、降参のポーズをとる。

僕はしてやったりという顔をしてそれに鷹揚に頷く。

それからどちらからともなく笑った。
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