君がうたう七つの子
そういえばと、さっき貰えなかった答えを聞くべく彼女に質問した。

「さっきも聞いたけど、どうしてふるさとの歌じゃなくて七つの子を歌っていたの?」

「七つの子?」

「レイが歌っていたやつだよ」

「あぁ、カラスの歌ね。

そっか、七つの子ともいうんだったね」

というか七つの子が本当のタイトルなんだけど、という言葉を飲み込んで先を促す。

「えっと、そうだね。

あんまりじっくり考えたことはないんだけど、親の愛情っていうのかな、何か暖かい感じがして。

本当に子供が大事なんだなぁ、って。

それと、昔からふるさとが流れたらカラスの歌を歌っちゃうんだよね。

癖もあるのかな。」

"親"

そう言った彼女の顔に、陰りが見えたのは気のせいではないだろう。

そうだ。見たところ僕と同じくらいの年で死んでしまったのだ。

親よりも先に、死んだ。

それは彼女にも、彼女の親にとっても不幸以外の何物でもない。

なのに、彼女は笑っている。それがなんだか、悲しく思えた。

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