君がうたう七つの子
そんな僕の雰囲気に察したのか彼女は慌てて新しい話題にうつる。
一番好きな花はススキなんだとか
風に揺れるススキの音が、まるで風の音みたいなんだよとか
ここにも秋になったらススキが生えるんだとか。
「ススキは花じゃないよ。
イネ科の植物だ」
僕が呆れたように笑うと、戸惑った顔をしていた彼女の顔に安堵の表情が現れて、柔らかいものになった。
そこまで安心するとは、よほど僕はまずい空気を出していたのだろうか。
こちらが相手を考えていたのに、逆に気遣われるとは情けない。
そもそも、僕ってそんなにわかるほど表情に変化でるのか。
周りにはポーカーフェイスだと言われていたはずなのに。
一部では能面とも呼ばれていた。
前の学校の奴らが見たら驚くだろうか。
それとも、僕が変わったんじゃなく、彼女だからわかるのだろうか。
彼女はというと、僕が考え事をしている間もふにゃりとしていた顔を、何を思ったか頭を振って払い、威張ったような表情を浮かべ、偉そうに胸を張る。
その様は周囲の子供に舐められないようにするガキ大将のようだ。
一番好きな花はススキなんだとか
風に揺れるススキの音が、まるで風の音みたいなんだよとか
ここにも秋になったらススキが生えるんだとか。
「ススキは花じゃないよ。
イネ科の植物だ」
僕が呆れたように笑うと、戸惑った顔をしていた彼女の顔に安堵の表情が現れて、柔らかいものになった。
そこまで安心するとは、よほど僕はまずい空気を出していたのだろうか。
こちらが相手を考えていたのに、逆に気遣われるとは情けない。
そもそも、僕ってそんなにわかるほど表情に変化でるのか。
周りにはポーカーフェイスだと言われていたはずなのに。
一部では能面とも呼ばれていた。
前の学校の奴らが見たら驚くだろうか。
それとも、僕が変わったんじゃなく、彼女だからわかるのだろうか。
彼女はというと、僕が考え事をしている間もふにゃりとしていた顔を、何を思ったか頭を振って払い、威張ったような表情を浮かべ、偉そうに胸を張る。
その様は周囲の子供に舐められないようにするガキ大将のようだ。