君がうたう七つの子
「私が花って言ったら花なの!

なんならしょう君も花にしちゃうよ!」

「何だそれ、レイを王様にしたら独裁政治まっしぐらだね。怖い怖い。

あと、無い物を張っても意味ないよ」

さっき僕をからかおうとした仕返しに言ってやると、僕に立てていたピンと伸ばした人差し指を震わせて、顔を赤くして口をパクパクさせた。

まるで水面で餌を待つ魚のようで僕は思わず笑った。

その上、顔を赤くしているものだから金魚に見えてきて更に吹き出した。

「もう!セクハラだよ!

ありえない…って、いつまで笑ってるのよー!」

オレンジ色の世界に僕の小さな笑い声と、レイの必死な声が響き渡る。

そこにセミの鳴き声も混じって、夏の大合唱のようだった。

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