君がうたう七つの子
僕は愚者なのでその経験からやっと学んだものだけど。

理性的に相手をするのは時と場合によると。

とにかく、もしレイが泣いていたらそっとしておいて落ち着くのを待とう。


それを確認するためにも、あの場所にはそっと行ってみなければならない。

朝、待ち合わせ場所に行くときは、一応土手を通らないようにした。

レイの姿は陽が出ているうちは見つけられないので、もしかしたら鉢合わせてたかもしれないけど、出来るだけそうなる可能性を低くするための遠回りだ。

でも、今はレイの状態を確認しなきゃいけないから土手に向かって、居ればこの時間であればレイの姿は見えるだろう。

もしいたとして、様子がおかしかったら一日おいて、その熱を冷ましてもらえばいい。

いなかったら、そのまま家に帰ろう。

自分でもなかなか意地の悪い計画だよなと思ったが、僕の心はガラスと言っても防弾ガラス製ではなく、薄くて平べったい普通の強度の弱いガラス製なので、このくらいの警戒は必要だ。
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