君がうたう七つの子
「急に黙ってどうしたの、しょう君」

反応のない僕に焦れた彼女が声をあげる。

「あぁ、ごめん。

レイの寝顔があまりにも酷かったから、つい思い出してげんなりしてた。

後、顔によだれついてる」

「酷い!

ってよだれ!?どこ!」


あるはずのないものを、必死に探して拭おうとしている彼女に僕は笑った。

そして僕は心の中で静かに、恐る恐る一歩踏み出す。

なるようになれと。

予言者の言葉を信じて。

「僕、毎日ちゃんとここに来るよ。

毎日、休むことなく」

「・・・・え!?」

「レイに会いに来るよ」

人は小さな一歩だと笑うかもしれない。

僕の人生の中でもたいしたものじゃないかもしれない。

でも・・・
今の僕にとっては、精一杯に足を出した大きな一歩だった。

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