君がうたう七つの子
彼女と会った日から毎日土手にきているが、彼女の事故現場に現れる人は見ない。
川の近くで遊ぶ人も見たことがない。
お供えの場所にはいつも新しい花が置かれているけれど、それは早朝に置かれているのか、僕は未だにその人物と対面していない。
僕がなにも言わないことに疑問を感じた彼女は、黙って僕の視線の先を見やると納得したように嘆息した。
「・・あぁ。
私が事故にあってすぐの頃は、そりゃあもう毎日いろんな人がきてくれたよ。
知ってる人も、知らない人もね。
でも、暫くしたらこの通り。
誰も来なくなっちゃった。」
仕方ないんだけどねと笑う彼女は、笑っているのに泣いてるみたいだった。
そんな彼女が見ていられなくて僕は
「今は―――今は僕がいる。それでいいじゃないか」
頭で考えるよりも先に口にしていた。
こんなことは初めてで、どうしたらいいか所在なさげにしている僕に彼女は笑った。
さっきみたいな泣いているような笑顔じゃなくて、顔をくしゃりとさせて。
「そうだね。
今はもう違うね。
仕方ない、しょう君で我慢するかー」
今度はいたずらな笑顔を見せて僕にいう。
いつもの彼女に安心した僕も微笑む。
「レイの方こそ失礼だな。
僕みたいな男はそうそういないよ」
「それをいうなら私だって。
こんなにいい女の子だってなかなかいないよ」
「ジャングルあたりに行けばいそうだけれどね。
群れのリーダーとかやってそうな感じ」
「ちょっと、それどういう意味よ。信じられないなぁ」
お互いにぽんぽんとじゃれ合うように言い合う。
川の近くで遊ぶ人も見たことがない。
お供えの場所にはいつも新しい花が置かれているけれど、それは早朝に置かれているのか、僕は未だにその人物と対面していない。
僕がなにも言わないことに疑問を感じた彼女は、黙って僕の視線の先を見やると納得したように嘆息した。
「・・あぁ。
私が事故にあってすぐの頃は、そりゃあもう毎日いろんな人がきてくれたよ。
知ってる人も、知らない人もね。
でも、暫くしたらこの通り。
誰も来なくなっちゃった。」
仕方ないんだけどねと笑う彼女は、笑っているのに泣いてるみたいだった。
そんな彼女が見ていられなくて僕は
「今は―――今は僕がいる。それでいいじゃないか」
頭で考えるよりも先に口にしていた。
こんなことは初めてで、どうしたらいいか所在なさげにしている僕に彼女は笑った。
さっきみたいな泣いているような笑顔じゃなくて、顔をくしゃりとさせて。
「そうだね。
今はもう違うね。
仕方ない、しょう君で我慢するかー」
今度はいたずらな笑顔を見せて僕にいう。
いつもの彼女に安心した僕も微笑む。
「レイの方こそ失礼だな。
僕みたいな男はそうそういないよ」
「それをいうなら私だって。
こんなにいい女の子だってなかなかいないよ」
「ジャングルあたりに行けばいそうだけれどね。
群れのリーダーとかやってそうな感じ」
「ちょっと、それどういう意味よ。信じられないなぁ」
お互いにぽんぽんとじゃれ合うように言い合う。