君がうたう七つの子
「だから、申し訳ないというか、罪悪感なのかな。

私のせいで今はこんなに寂しい場所になっちゃって。

せめて、私だけでもいなくちゃと思ったの」

そう言って僕をまっすぐに見つめる。

その目は真剣で、強い力があった。

あぁ、僕はなんて馬鹿だったのだろう。

彼女がこんなにもこの場所を愛しているのに面倒だなんて。

「ごめん。

何も知らないのに、勝手なことを言って

レイのこと、レイがどれだけこの場所を大切にしているのかも知らないで

僕、自分の言葉でこんなに後悔したの初めてだ」

僕の謝罪に、真剣な顔をしていた彼女は一気に破顔して

「しょう君が!あのしょう君が!

落ち込んでる、珍しい!」

僕を指差し口を開けて大笑いした。

相変わらずな彼女にもはや怒りを通り越して、敬意をあらわしたくなる。

「レイはすごいよね。僕は一生レイみたいになれないよ」

「え、急にどうしちゃったの。

そこまで褒められると照れちゃうな」

本気で照れている彼女にため息を一つこぼして、鉛筆の動きを再開させる。





「ごめん、本当のことはまだ言えないや。

ごめんね」

彼女の小さな呟きは僕に届くことはなかった。
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