最悪なウェディング~鬼上司と恋の予感?~

「許せない。その恵梨香って子。
前にあんたに紹介された時は、
裏がありそうな子だとは、思っていたけど
まさか人の彼氏を寝取るなんて
そんなの裏切りじゃない!?」

思った通りに反応してくれる美香子。
これよ……これ。

「ありがとう……美香子。
もう私が悪者みたいな扱いされるから
腹が立つやら意味が分からないやらで散々だったわよ」
今思い出しただけでも腹が立つ。

「智也君も智也君よ!
よりにもよって彼女の親友に手を出すとか
最低じゃない。そんな男とは、別れて正解。
愛美には、もっと素敵な男が居るわよ!!
もう恵梨香とは、さっさと縁を切りなさい。どーせ。
また愛美の彼氏を狙ってくるから」
怒りながら言う美香子。

「……うん。」

そう……智也は、最低なことをした。
元カレの隆之もそうだったが私は、男運がないようだ。
恵梨香も恵梨香だ。

あんなに反省してもう二度とやらないって
約束したのにアッサリと裏切られるなんて……。
悔しい。それを馬鹿正直に信じていた自分が。

「ほら、元気だしなよ。
今日は、とことんまでやけ酒に付き合うからさ」
そう言いながらポンポンと頭を撫でてくれる美香子。

「美香子……」
彼女の男前の優しさに涙が出そうだった。
するとバタバタと誰かが更衣室に入ってくる。

「ねぇ聞いて、聞いてビックニュース。
新しいマネージャー決まったんだって!!
しかも最近までニューヨークで働いていた
エリートだって」
嬉しそうに話す女性社員。

マネージャーが!?

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