最悪なウェディング~鬼上司と恋の予感?~
すると恵梨香のお兄さんは、
「大学もニューヨーク。
社会に出たのも向こうだったので
日本の社会のルールがまだ分かりません。
そのため周りの力を借りたいと思い
1人私のサポートをしてくれる方を選びたいと思うのですが」
「そうだ。あなたにお願いします。
木瀬愛美さん」
……はい!?
恵梨香のお兄さんは、笑顔で
何故か私を指名してきた。
何で私なんですか!?
しかも、何で私のフルネームを知ってるのよ??
「あの……何でですか?」
本来ならお互いに顔を合わせたくない
人物のはずなのに
何を考えているのよ!?
だが恵梨香のお兄さんは、
「顔見知りの人が近くに居ると心強いからね。
よろしく頼むよ?木瀬愛美さん」
笑顔を崩さずに言ってくるじゃないか。
その笑顔は、悪意を感じた。
ゾクッと背筋が凍ったのは、言うまでもない。
いやいや、顔見知りも何も昨日チラッとしか
見てないから!?
しかも怒鳴り付けられ……最悪な出会いだったし。
どうして私なのよ!?
断りたかったけど
皆の前で指名されたあげく相手は、マネージャー。
一般社員の私が口答えが出来るわけもなく
結局恵梨香のお兄さんのサポート役に回されることに
なってしまった。
周りからは、妬まれ羨ましがられる。
美香子なんてニヤニヤしているし……。