最悪なウェディング~鬼上司と恋の予感?~
「アレは、気が動転してたんです。
信じられないことが一変に起きたから……」
それは、嘘じゃない。
そもそもあなたに怒鳴られる筋合いもない。
しかしこの人は、
「だからと言って元でも親友だった奴がお腹痛めて
苦しんでいるのに何もしないのは、どうなんだ?
お前……意外と薄情だな」
そう言ってきたじゃないか。
はぁっ!?
いやいや、薄情とかそう言う問題じゃないでしょ?
「お言葉を返すようですが、あなたの妹さんが
私の彼氏を取ったんですよ!?
しかもそれを開き直りみたいに言ってきて。
裏切られた私の気持ちが、あなたに分かりますか!?」
腹が立って言い返す。
だが
「それは、仕方がないだろ。
恵梨香は、妹ながら可愛いし。
ちゃんと捕まえておかなかったお前が悪い」
平然と開き直ってきた。いや、むしろ
シスコン要素丸出しだ。
恵梨香も恵梨香ならその兄も兄だった。
「捕まえておかなかったからって
勝手に人の男を取る妹をまず叱りなさいよ!!」
あぁ、もうイライラする。
「何で俺が?
そもそも今は、そんなの関係ないだろ。
仕事は、仕事だ。お前は、きちんと仕事をこなせれば
それでいい」
ギロッと私を睨み付けられる。
確かに仕事は、仕事だけど
代わりに謝る気すらないのか……この男は!?