最悪なウェディング~鬼上司と恋の予感?~
べろんべろんに酔った後の記憶はない。
頭の中や身体がふわふわして気持ちがいい。
そして何だか温かい……。
ぼんやりする意識の中、誰かの顔が映り込む。
誰?智也……?
顔が分からないけど触れる指や温もりは、
私の心を溶かしていく。
「智也……」
「ったく、名前を間違えるんじゃねぇーよ。愛美」
あれ……?
智也ってこんな声だったっけ?まぁ、いいや。
私は、そのぬくもりにただ溺れる。
翌日。
カーテン越しの光りで目が覚めた。
「うーん。あれ?ここ……何処?」
目を覚ますと知らない景色に混乱する。
知らない部屋だ。
それに何だから身体もダルいし頭痛がする。
あ、そうか……恵梨香のお兄さんと飲んだんだっけ?
すると誰かが入ってくる。
「目が覚めたか?」
そこには、バスタオルで頭を拭いている
上半身が裸のお兄さんが居た。
「えっ?キャアッ!!
な、何でお、お兄さんが……しかもそんな格好で!?」
頭の中がパニックになってしまう。
な、何でー!!?