最悪なウェディング~鬼上司と恋の予感?~
ぶちギレる寸前だった。
「そんな……私は、そんなつもりじゃ……うっ!!
痛い……お腹が痛い」
お腹を抑えながら苦しみだす恵梨香。
恵梨香!?
急に苦しみだすから一瞬動揺する。
でも今は、素直に心配してあげられない。
「恵梨香!?大丈夫か?」
そんな私を無視して慌てて駆け寄る智也。
それに対しても動揺を隠せなかった。
智也……あんたは、そっちを心配するの?
「ちょっと話は、まだ終わってないわよ?」
「今は、そんなこと、どっちでもいいだろ!!
恵梨香は、妊娠してるんだぞ。
もう少し気遣ってやれよ?恵梨香の親友だろ」
智也は、こちらを睨むとそう言い放った。
はぁっ……!?
いや、その親友が私達の関係をぶち壊したんでしょーが!?
身勝手な恵梨香の行動にも呆れるが
それを気遣えとか言う智也の発言にも呆れた。
あんたの基準は、恵梨香なの?
私は、どうでもいい存在だってこと?
本来なら親友である恵梨香の体調を一番に
気遣ってあげる立場の私なのだが、もう今は、
腹が立ち過ぎてそんな事を思ってやれる余裕なんてなかった。
心配よりもイラつく……。