最悪なウェディング~鬼上司と恋の予感?~
扉を開けるとバージンロードの周りには
たくさんの花が散りばめて飾ってある。
それは、花畑のように。
中心には、神父様と
白のタキシードを着た智也が居た。
「これって……」
涙を溜めながら言う恵梨香。
私は、それを見ながら
「恵梨香。話は、お兄さんから全部聞いたわ。
まだちゃんと許すには、時間がかかるけど
恵梨香の気持ちは、理解した。
正直複雑だったけど
それで式をキャンセルするなんてダメ。
やるからには、やりとけで」
「私に罪悪感があるなら
ちゃんと幸せになって見せてよ!
この恋は……結婚は、間違いじゃなかったって。
そうしたら私も諦めがつくから」
私の出した答え。
恵梨香に幸せになってもらわないと困る。
新婦様の幸せな笑顔を届けることが
私の夢。
それは、恵梨香に対しても同じ。
私の夢のためにも幸せに式を挙げてもらわないと困る。
それがせめての私への償いだ。
「……いいの?
私……凄くは嫌な女だったのに」
泣きながら私に言ってくる恵梨香。
「私だってあんたに対して酷い事を言ったり
叩いたりしたんだから十分嫌な女よ。
確かに最初は、もう腹が立って許さないと思ったし
今でも納得いかない部分もあるけど
でも、恵梨香と過ごした時間は、私にとったら
今も昔も大切なものだったから」
「だから、ちゃんと向き合いたかった。
あんたの罪は、許されないけど
だったら一生かけて償いなよ!それがせめての
親友に対するけじめでしょう。
でも……その前に……結婚おめでとう。恵梨香」
私まで涙が出てきた。