最悪なウェディング~鬼上司と恋の予感?~
涙を溜めながら見ていたら
お兄さんが隣に来てくれた。
「愛美。悪かったな。
恵梨香のためにありがとう……」
「いいえ。親友のためですから」
笑顔で返事をする。
「……お前は、いい女だよ。本当に……」
恵梨香のお兄ちゃんは、私の手を繋いでくる。
温かくて優しい手だった。
その温もりを触れて
私は、新たに歩み寄ろうと思った。
式が終わると恵梨香は、私のところに駆け寄り
ブーケを渡してきた。
「はい。愛美」
「えっ?私に?」
「うん。この幸せは、愛美のお陰なんだから
次は、愛美が幸せになってね。ありがとう」
幸せそうに笑顔を見せてくる。
「……うん。ありがとう」
次は、私の番か。
チラッとお兄さんを見る。
そしてこのブーケをお兄さんに差し出した。
「愛美……?」