はい!こちら、ぬいぐるみーず探偵局です♪
明くる朝
「みんな、おはよー」
陽菜ちゃんが僕達に朝の挨拶。
それはいつものこと。
でも僕達は黙ったまま。
「くう、ペン、みんなどーしたの?おはよういってくれないの? 」
その時ドアが開いて
「陽菜おはよう」
「ママおはよー。あ、そいうことか」
陽菜ちゃんが唇に指をあてて
「ひみつね!」
僕はこっそり陽菜ちゃんにウインク。
「あら何が秘密なの?」
志織ちゃんに聞かれて
「なんでもなーい。あ、ママびーだまあったよ」
陽菜ちゃんが手のひらに乗せたビー玉を志織ちゃんに見せる。
「あったの?やっぱりこの部屋にあったの?」
「ううん、ひなねズボンのポケットにいれてたのをわすれてたの 」
「ズボンのポケット?陽菜それを思い出して取りに行ったの?」
「えっ?えっと…」
陽菜ちゃんが僕を見る。
『陽菜ちゃん内緒だよ。自分で思い出して取りに行ったことにしてよ』と僕は心の中で叫ぶ。
「うん、そーだよ。ひながいったの」
陽菜ちゃんが僕達にウインクのつもりか両目を閉じて見せた。
まだウインク出来ないよね。 でも、可愛い。
「よかったわね。これからはランドリーボックスに入れる時はポケットの中を見ましょうね」
「うん。もうだいじょうぶだよ」
ニッコリ笑顔になってビー玉をオルゴール箱に入れ
「ママ、ひなピンクのおようふくね」
「はいはい」
着替えをして志織ちゃんと下へ…
「あ、ママさきにいって。ひな、くうたちにおはなしがあるから 」
「じゃあ早くね」
「うん」
志織ちゃんは小さい子にはよくあるように陽菜ちゃんも心の中で僕達が生きてると思ってるんだと思ってる。
だから『くう達と話す』といっても想像の世界のことだと思ってるんだ。
まさか本当に僕達が生きてるなんて志織ちゃんでも知らないさ。