はい!こちら、ぬいぐるみーず探偵局です♪
「みんながさがしてくれたのにひながみつけたことになっちゃってごめんね」
「いいんだよ」
「そうだよ。第一僕等が見つけたって言っても志織ちゃんも誰も信じないよ」
「うん、陽菜ちゃんが夢を見たんだって思うだけだよ」
みんなが口々に言う。
「みんな…うん、そーだね。これはひなとみんなとのひみつだもんね」
「うん」
「僕達だけの内緒」
「うん」
「だけど」
「うん?陽菜ちゃんどうしたの?」
「くうたちのびーだまさがしってまるでテレビでみるようなたんていさんみたいだね」
「えっ?探偵?」
一瞬、僕の頭には前に涼ちゃんと陽菜ちゃんが見ていた有名な探偵を思い出し、あのコートを着て帽子を被りパイプを持ってる僕を想像していた。
うん、案外かっこいいかも。
『名探偵熊五郎』
あれ、他のみんなも同じような想像をしてるみたい。
「さ、陽菜ちゃん下に降りよう。涼ちゃんが部屋を出るよ」
隣のドアが開いた音がかすかに聞こえた。
「うん」
陽菜ちゃんがドアを開け
「おにいちゃん、おはよー。くうたちおろすのてつだって」
「え~またかよ?しょうがないなぁ」
文句を言いながらも陽菜ちゃんと一緒に僕達を抱き抱え下に連れて行ってくれる。
うん、涼ちゃんは本当にいいお兄ちゃんだ。
「パパ、おはよー。あのね、びーだまみつかったよ」
「お、涼、陽菜おはよう。ビー玉見つかってよかったな」
「ママ、お腹空いた。早くご飯」
「はいはい」
「や~い、おにいちゃんのくいしんぼー!」
今日も朝から賑やかな藤倉一家だ。
この賑やかさがこれからもずっと続けばいいな。
陽菜ちゃん、涼ちゃん、志織ちゃん、恭介パパがいつまでも笑っていられますように。