cherry blossom
blossom

とある歌






さくら。さくら。


うすピンク色の可愛いさくら。


僕のとなりで─私のそばで─


笑っててよ。


悲しげに瞳伏せる時は、僕が─私が─


となりで微笑んでいるから。


君が安心するまで手を繋ごう。


ずっとずっと笑っていて。




儚げで触ったらこわれてしまいそうな、


君との思い出。


淡い淡い、もろい夢。


それでもいい。


だってそうやって過ごしてきた時は、


両手に抱えきれないくらいの宝物だから。


どんな宝石よりも綺麗で、


水晶から眺めているような透明で繊細な。






さくら。さくら。


春の泪に濡れる静かなさくら。


もう一度私に─僕と─


笑ってよ




たとえ心の中でもいい私と─僕と─


涙空の下で真っ赤な目で見送るよ。


君がコレから笑えるように


その涙を枯らすまで。




空一面が桜色でやっぱり少しだけ涙が出た。


晴れた空から陽が覗いて、


うすピンク色のさくらがゆっくり朱に染まる。





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