cherry blossom
「...ところで君、モテそうじゃん。彼氏いるの?」
壁に肘をついて、こちらへどうでもいい事を話しかけてくる。
「いない。それにモテないよ」
「えー?マジ??ラッキー。俺にもチャンスあるじゃん!」
...この人は何を言ってるの...?
《咲!》
こそっと夏稀が耳打ちしてきた。
《なに?》
《咲さ、一旦どこか行っててくんない?》
《え、なんで?》
《は、何でって、あんたナイトくん独り占めする気じゃないでしょうね?》
《ナイト...?独り占め...?》
《ちっ...とにかくどっか行っててよ!
つか咲まじでKYだから!》
...っ
《...わかった〜。ごめんね》
「あ、私先生に呼び出されてたんだ〜。ごめんちょっと行ってくるわ〜」
「え、咲ちゃん?」
「ごめん夏稀、神奈子、あとでねー」
...泣きそうになった。