cherry blossom
「...桜、か」
私が最後に作詞した曲を思い出す。
そっと口ずさんだ。
「...儚さのなかに光る淡い真っ直ぐな想い...
私はそんなアナタに憧れた...
私もそんな風になりたいと願った。
...アナタと同じ世界を眺めていれば
強くなれると信じていた。
でもなれなくて。
悲しくて。
愛しいアナタの世界から消えようと思った。
春にアナタが見ていたやわらかな世界は
強いものしか見ることはできない世界。
私には欠片もないから、アナタの見た世界は
私にはモノトーンで見えた...」
...コレは、今の私自身。
seasonから黙って去った私は、
置き手紙の代わりに、この歌を置いていった。
どうしようもない歌。
全く救いがなくて...。
「...ナツ、アキ、フユ...ごめんね」