cherry blossom
「...その歌、お前が作ったのか?」
ふと、背後から声が聞こえた。
「...なんだ、いたなら教えてくれればよかったのに
...高嶺くん」
振り返れば、金髪をなびかせた高嶺くんの
切れ長の目が私をとらえていた。
「...別に、俺がどこに居ようと一々報告する必要なんてないだろ」
...。
「...そうね、じゃあさよなら」
「待てよ」
この前と同じように手首を掴まれる。
「俺の質問に、まだ答えてもらってない」
「私が高嶺くんの質問に答える義務もない」
「お前が断る権利もない」
「人権侵害で訴えるわよ」
「好きにすればいい。だが答えてもらう」