貴方に好きって言われたい
「お、お願いします宮本君。
今日は一緒に帰って欲しい……」
頑張るとは決めたものの、やっぱり不安が大きくて語尾が消えていく。
「……柚ちゃーん、俺は無視なのね?」
「え?」
この人、誰だっけ?
「あ、ごめんなさい」
「んー、俺傷ついたからなぁ……じゃあ連絡先をーー」
「ーー無理だから」
今度は私の目を見て、はっきりと告げられてしまう。
「……ど、どうして?」
背の高い宮本君をちらりと見上げて尋ねると、ふいっと目を逸らされる。
がーん。
「み、や、も、と、くんっ♪
そんな独占欲剥き出しにするなら、一緒に帰ってやれよ」
「えー?白行っちゃ嫌ー」
「柚ちゃん、俺が一緒に帰ってあげようか!」
……皆さん、もしかして気をつかってくれてるのかな?
ありがとうございます。……でも、
「私、宮本君と帰りたいんです」
私が言い切ると、彼らはぽかーんとして、でも次の瞬間なぜか大爆笑。
なぜ笑われたのか分からないけど、恥ずかしくて顔が真っ赤になる。
うう……
「……もう、いいから帰れ」
ーーー