貴方に好きって言われたい




「お、お願いします宮本君。


今日は一緒に帰って欲しい……」






頑張るとは決めたものの、やっぱり不安が大きくて語尾が消えていく。







「……柚ちゃーん、俺は無視なのね?」





「え?」







この人、誰だっけ?





「あ、ごめんなさい」




「んー、俺傷ついたからなぁ……じゃあ連絡先をーー」











「ーー無理だから」








今度は私の目を見て、はっきりと告げられてしまう。







「……ど、どうして?」





背の高い宮本君をちらりと見上げて尋ねると、ふいっと目を逸らされる。






がーん。







「み、や、も、と、くんっ♪

そんな独占欲剥き出しにするなら、一緒に帰ってやれよ」




「えー?白行っちゃ嫌ー」




「柚ちゃん、俺が一緒に帰ってあげようか!」









……皆さん、もしかして気をつかってくれてるのかな?




ありがとうございます。……でも、







「私、宮本君と帰りたいんです」







私が言い切ると、彼らはぽかーんとして、でも次の瞬間なぜか大爆笑。








なぜ笑われたのか分からないけど、恥ずかしくて顔が真っ赤になる。






うう……














「……もう、いいから帰れ」




ーーー
< 12 / 51 >

この作品をシェア

pagetop