貴方に好きって言われたい
「……ごめんなさい」
もう一度謝り、宮本君を見上げる。
けれど、聞こえてないのか、宮本君はすたすたと反対の方へ行ってしまう。
……聞こえてても、立ち止まってくれないだろうけど。
グループの人達も、いいのかよー、なんて笑いながら行ってしまった。
……と思ったら一人残っていた。
派手だけど、さっきから何も言わずじっと宮本君と私を見ていた人だ。
確か、日吉君……だったっけ。
「ごめんね、唐木さん。あいつ子供で……
白、呼んで来ようか」
「い、いえ!……もういいんです」
「え、いいの?」
心配そうにする彼に"はい"と答え、へらりと笑う。
そして、宮本君の行ってしまった方向と反対に歩き出す。
だって……決めたもんね。
ーーー