貴方に好きって言われたい
*柚side
柚side
「柚が好きだ」
後ろから強く抱きしめられている。
誰に?
ーーーーー宮本君に……?
「何で……離してっ……!」
驚いて、身体を硬くするしか出来ない私。
本当は離して欲しくなくて、だけどもう離して欲しくて……
すると宮本君は一度抱きしめた腕を離し、くるりと前を向かせる。
願った通りなのに、離れた距離が寂しかった。
けれど宮本君は、柚……と私の名前を呼んで、またぎゅっと抱きしめる。
それが、無性に苦しくて。
「……なん、で」
……何で追いかけてきたの?
本当は好きじゃないくせに。
本当は嫌いなくせに。
ーーー