貴方に好きって言われたい
「一つだけ、お願いがあります」
私の、願いはーーーー
「……何?」
あの時より、ずっと優しい声音に、私は自然と緩んでしまう頬を赤く染める。
「ーーー"貴方に好きって言われたい"」
いつも願っていたこと。
いつも叶わなかったこと。
……ねぇ、もう一度聞かせてよ。
今度はしっかり、貴方の目を見つめるから。
「柚が、好きだ」
優しく細められた瞳。
ーーーあぁ、うん。
もういいや。
「……私も、宮本君が大好きだよっ……」
期待しちゃっても、いいや。
苦しくなっても、いいよ。
私達は再び抱きしめ合って、キスをする。
ーーー