君だけを見つめてる。〜10年間の純愛ラブストーリー〜
次の日、いつもどおり、登校して今はやりのパンケーキ食べたいなあとか今度潤誘っていこうとかくだらないこと考えていた時。
「はよ。」
不意に後ろからかけられた声。
え、声の主を見ると、八代慎吾。
「え、あ、お、おはよ」
「ははッ」
「え」
「驚きすぎ」
少し笑いながら、じぶんの席に座って後ろに体を向けていた。
「あ、ごめん」
「いや、別に?ただ笑えたからさ」
「急に声かけられて驚いてさ」
「お前、吉高だろ?」
「あ、うん」
「下の名前は?」
「杏里。」
「杏里か。まあ、知ってたけど」
「え、うそ!」
「いや、後ろの席のやつくらいわかるよ」
「そ、そっか」
「変な奴」
そう言って、また笑って前を向いた。
慎吾と初めて話したのはこの時。
あたしはいつまでも忘れないよ。