Tatarian aster
7
『はいはい、悪かったよ。』
髪をくしゃっと撫でると乃愛が顔を赤くした。
『何、赤くなってんの? 気持ち悪い。』
なんで赤くなってるんだよ。
期待しそうになるだろ。
『なんでもないから、気にしないで。』
顔を赤くしたまま、乃愛は俺を置いて歩いていく。
俺もすぐ追いついて、隣を歩いた。
自分の頬を触ると、ほんのり熱を帯びていた。
きっと、顔も赤いんだろう。
乃愛にそれを気付かれないようにと、少し下を向いた。