Tatarian aster









『はいはい、悪かったよ。』




髪をくしゃっと撫でると乃愛が顔を赤くした。




『何、赤くなってんの? 気持ち悪い。』




なんで赤くなってるんだよ。




期待しそうになるだろ。




『なんでもないから、気にしないで。』




顔を赤くしたまま、乃愛は俺を置いて歩いていく。




俺もすぐ追いついて、隣を歩いた。




自分の頬を触ると、ほんのり熱を帯びていた。




きっと、顔も赤いんだろう。




乃愛にそれを気付かれないようにと、少し下を向いた。








< 10 / 11 >

この作品をシェア

pagetop