Dear.


まだ興奮が冷めきらないまま、スタンツ発表は五組へと移っていった。

わたしは、近くにいた咲真くんに声をかける。

「咲真くん、すごいね。帰宅部とは思えないよ」

咲真くんは、困ったような顔で。

「そう? さんきゅ。体操を高校に入学するまでやってたからかな」

「へえーっ、そうなんだ」

「喜んでもらえて良かった」

ふっ、と笑う咲真くんに、他の女の子達も、声をかける。

みんな、咲真くんをちらちらと見ていて。

モテモテだなぁ、とわたしは感心した。
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