Dear.


「まあ、とりあえず、電話番号と、メアドでいいよね? それが分かれば、LINEとか、Facebookの登録もできるし」

「おけ、」

カナの提案に、わたし達は、電話番号とメアドの交換をした。

(えっと…、和泉くんと、咲真くん、っと)

新しく電話帳に追加された二つの名前。

なんだか、少し嬉しいのは、変なのかな…?

カナの方をちらりと見ると、電話帳に『こばさく』『涼』と入力しているところだった。

涼…って、和泉くんの下の名前……。

とかなんとか、考えていると、カナがパタンと手帳形スマホケースを閉じて。

「ありがと、二人共」

笑顔で言ったカナの頬が、少し紅潮していたのは、わたしの見間違いだったのかな。
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