Dear.
✿
「重っ……。あー、重いし眠いし疲れたわー…」
ついさっきの自由時間には、あんなに元気だったカナが、帰る頃になると、すっかり元のテンションに戻ってしまっている。
よっこらしょ、とバスの座席に座るカナは、ほわぁ、と変なあくびをした。
「着いたら起こして…」
「う、うん」
わたしが頷くと、目を閉じる。
「…ふぅ」
走り出すバス。
昨日からのテンションも、少しずつ落ち着いていく感じがして、なんだか、寂しくなる。
少し時間が経つと、バス内の寝ている人率が、すごく増えて。
静かなバスで、わたしは、最後まで窓の外を眺めて過ごした。