Dear.

いつもの日々へ。




「はいはい、この林間学校レポートは、今週末には提出してもらうからなー、」

途端に上がるブーイングに、先生は、呆れた顔をする。

「まだ月曜日だろ。たっぷり時間はあげてると思うんですけど」

とりあえず、一時間目、終わり! と先生が手を叩くと、日直の子があいさつをして、休み時間になった。

「ねぇみさー、レポートって何書くの? あたし、何もメモとかしてないからさ…、こばなつの彼女は可愛かったのは覚えてるけどさぁ」

「そんなの覚えてても、意味ないでしょ…」

わたしの席に来て開口一番、そんなことを言うカナに、笑っていると、後ろの方から、

「バカじゃね」

と言う声が聞こえた。

「バカって言うなら聞かないでよ」

ムッとした声のカナは、声の主…和泉くんの方へ振り返る。

「っていうか、何がバカなの? よく考えたら意味分かんないんだけど」

「なんか、バカだって思ったんだよっ」

「それはこっちのセリフだっつーの!」

ギャーギャーと痴話喧嘩(?)を始める二人のことを平和だなぁ、と見つめていると。

「今野、微笑んでるね…」

という声が、隣から聞こえてきた。
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