Dear.
いつもの日々へ。
✤
「はいはい、この林間学校レポートは、今週末には提出してもらうからなー、」
途端に上がるブーイングに、先生は、呆れた顔をする。
「まだ月曜日だろ。たっぷり時間はあげてると思うんですけど」
とりあえず、一時間目、終わり! と先生が手を叩くと、日直の子があいさつをして、休み時間になった。
「ねぇみさー、レポートって何書くの? あたし、何もメモとかしてないからさ…、こばなつの彼女は可愛かったのは覚えてるけどさぁ」
「そんなの覚えてても、意味ないでしょ…」
わたしの席に来て開口一番、そんなことを言うカナに、笑っていると、後ろの方から、
「バカじゃね」
と言う声が聞こえた。
「バカって言うなら聞かないでよ」
ムッとした声のカナは、声の主…和泉くんの方へ振り返る。
「っていうか、何がバカなの? よく考えたら意味分かんないんだけど」
「なんか、バカだって思ったんだよっ」
「それはこっちのセリフだっつーの!」
ギャーギャーと痴話喧嘩(?)を始める二人のことを平和だなぁ、と見つめていると。
「今野、微笑んでるね…」
という声が、隣から聞こえてきた。