Dear.



ざわめいているゲーセン内で。

わたしは、咲真くんがリズムゲームで高記録をたたき出すのを眺めていた。

林間学校のときも思ったけど、咲真くんって多才だよなぁ……。

「あー、ミスったぁ!」

ゲーム終了の音と共に、咲真くんが悔しそうに。

「お疲れ〜」

炭酸のジュースを投げる和泉くんに、咲真くんはそれをキャッチしてプシュ、とプルタブを開けた。

「ねぇ、あたし、あんたにお金貸したよね?」

「あー、うん」

「じゃ、そのお金、ゲームで返してよ。あのぬいぐるみ取って」

カナが和泉くんと話しながら指さしたのは、UFOキャッチャー。

「はぁ、ま、いいけど」

「おっしゃ、…みさ、ごめん、後で合流しよ! LINEで連絡するから!」

「うん、おけ」

わたしが頷くと、カナと和泉くんは二人で歩いていった。
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