Dear.


「み〜さぁ〜! …とこばさくー!」

ブンブンと大きく手を振るカナに吹き出してしまう。

「ちょっとカナ、笑わせないでよー!」

「みさ、落ち着け。うん」

カナは、なんとか辿りついたわたしの背中をさすってくれると。

「よしっ、帰ろっか!」

「そ、そだねっ!」

笑いを噛み殺して返事をすると、変に力んでしまい、皆に笑われてしまった。




「うーん、けっこー遊んだなー。お金全然ないや……」

駅までの道を四人で歩きながら、伸びをするカナ。

「そー…だね。気付かなかったけど、だいぶ長い間ゲーセンにいたんだよね…」

わたしは、スマホで時間を確認する。

もう、辺りは薄暗い。

「あっ、みさ、まだ時間大丈夫だよね? ちょっと、あそこのお店寄っていい? なんか、お腹空いちゃってちゃって!」

「い、いいけど…、今から?」

カナの唐突な提案に、わたしは、首をかしげる。

「まあ、ここなら、駅に近いし、皆が大丈夫なら、いいよ?」

そう、返事をすると、カナが笑顔になる。

「よしっ、行こっ!」

カナは、お店の中に入っていった。
< 131 / 192 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop