Dear.
「み〜さぁ〜! …とこばさくー!」
ブンブンと大きく手を振るカナに吹き出してしまう。
「ちょっとカナ、笑わせないでよー!」
「みさ、落ち着け。うん」
カナは、なんとか辿りついたわたしの背中をさすってくれると。
「よしっ、帰ろっか!」
「そ、そだねっ!」
笑いを噛み殺して返事をすると、変に力んでしまい、皆に笑われてしまった。
…
「うーん、けっこー遊んだなー。お金全然ないや……」
駅までの道を四人で歩きながら、伸びをするカナ。
「そー…だね。気付かなかったけど、だいぶ長い間ゲーセンにいたんだよね…」
わたしは、スマホで時間を確認する。
もう、辺りは薄暗い。
「あっ、みさ、まだ時間大丈夫だよね? ちょっと、あそこのお店寄っていい? なんか、お腹空いちゃってちゃって!」
「い、いいけど…、今から?」
カナの唐突な提案に、わたしは、首をかしげる。
「まあ、ここなら、駅に近いし、皆が大丈夫なら、いいよ?」
そう、返事をすると、カナが笑顔になる。
「よしっ、行こっ!」
カナは、お店の中に入っていった。