Dear.



「カナー、帰ろー」

「ん、おけー、」

咲真くんが実行委員会に行って、少ししてから、わたしとカナは教室を出た。

「あ、ここで実行委員会やってるんだ…」

通りかかった教室に咲真くんの姿を見つけたわたしは。

その隣に座っている女の子に目を止めた。

「あ、あの女の子……」

この前、咲真くんのことを見に来ていた女の子だ。

この前はよく顔を見ることはできなかったけど、あの子は、カナ情報によると、陸上部の女の子らしい。

長めの髪を揺らして笑っているその子の向こうから、咲真くんがわたし達に気づいた。

ちょっと笑って、手を小さく振る咲真くんに、その女の子がこちらへ振り向いた。


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