Dear.
ღ
それからも、放課後の実行委員会で、咲真くんと女の子が一緒にいるのをよく目にするようになった。
グラウンドで、練習中の和泉くんに渡す物があるとかで、カナが行ってしまったので。
することもなく、後者裏に回って、ぶらぶら歩いていると、誰かとぶつかってしまった。
「ご、ごめんなさい!」
「い、いや、大丈夫? …って、今野?」
「あ、さ、咲真くん…」
目の前には、ダンボールをたくさん持った咲真くんがいて。
「大変だね…。今日は何してるの?」
「んー、体育祭の本部の組み立て…の予行練習? みたいな、」
「予行練習……。って、体育祭まで、あと何日だっけ?」
「あと、一週間です」
咲真くんは、ちょっと辛そうな声で言う。
「ごめん、女子にこんなこと頼むのはダメなんだろうけど…、これ、持ってくれない? それから、話そ」
「う、うん! ごめんね、重いよね」
わたしは、急いで咲真くんの手からダンボールを受け取る。
途端に、腕に感じる、重み。
「おお、これは、なかなかの…」
「ほんとごめんな。今度何か奢るから」
「ううん、この前誕プレもらったばかりだし」
あの腕時計は、毎日つけているんだ。