Dear.



未だにちょっと不機嫌そうなカナの少し後ろを歩いていると、不意に、声をかけられた。

「…、あの、」

振り返ると、水沢さんが、立っていた。

「? どう…したの?」

わたしが、首をかしげると、水沢さんが日陰の方を指さした。

「ちょっと、お話できないかな…?」

「い、いいよ…?」

何だろう…………。




日陰の方に移動すると、水沢さんが笑って。

「ごめんね、急に。えっと、今野さんだよね?」

「う、ううん、大丈夫! あ、名字呼びじゃなくてもいいよ」

「そう? 美咲ちゃんだけど、みんなに、みさちゃんって呼ばれてるよね。わたしも、それでもいいかな…?」

「うん。全然っ! 水沢さん、だよね。どうしたの?」

「明日香で、いいよ…って、ごめんね、質問に答えられてないよね」

「ううん、大丈夫!」

さっきから全く進まない会話に、二人して吹き出す。

「えっとね、単刀直入にいうと…みさちゃん、LINEやってるよね?」

「うん。やってるよ」

「LINE、やりたいなぁ、と思って。みさちゃんと」

「な、なんで??」

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