Dear.
「みさ、短距離の選手でしょ? 大変だねぇ」
「うーん、わたしでいいのかなぁっていう気しかしないんだけどさ」
控え場所で日焼け止めを塗りたくっているカナがふと言って。
そう言うカナもリレーの選手なんだけど。
「えー? 何でー? みさ、すっげー速いのに」
元陸上部じゃないか、と呟いたカナは、スプレーの日焼け止めを取り出して、思いっきり噴射し始めた。
「ごほっ、ちょ、カナ、やめてよー、」
「ごめんごめん」
涙目になりながら抗議していると、和泉くんが寄ってきた。