Dear.
「はい、プレミアムストロベリー、はよはよ」

「お前、何円したと思ってんだよ」

コンビニから出てきた和泉くんに飛びついて袋の中を漁るカナ。

「え、460円っしょ? 分かってるよ」

「そういう話じゃねーし!」

お目当てのアイスを取り出したカナは首をかしげて。

「何? お礼してほしいの?」

アイスを手に、笑う。

「ありがと」

ー綺麗な笑顔。

「……どういたしまして」

和泉くんが目をそらす。

カナは、モテる。理由は、きっと、この笑顔が大きいんだろう。

わたしは、カナが和泉くんをイジリにかかるのを微笑ましく眺めていた。
< 173 / 192 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop