Dear.
授業が終わっても、特に天気に大きな変化はなく、ちょっと安心したわたし。

大げさなんだよなぁ…とか、思ってしまうのだけれど。

教科書やらなんやらをいつものようにスクバに突っ込みながら、つ、と息を吐くと咲真くんがこちらを見て眉をひそめた。

「今野、大丈夫…?」

「え、だ、大丈夫だと思うよ? どうして?」

いきなりの言葉に驚いていると、咲真くんは自分の頬をトントンとつつく。

「なんか、顔色悪い」

「うそっ」

慌てて鏡を出して自分の顔を見ると。

…確かに、白い。日焼けしてないっていうのもあるけど、少しだけ青白いというか。

「ありがとう、咲真くん。でも、多分大丈夫だと思う! 自分でも気付いてなかったから」

そう言うと、やっと少し笑う彼。

「ごめんな、余計なお世話で」

「ううん! 全然」

そのとき、小さな音でスマホが鳴った。
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