Dear.


「はいっ、」

急に名前を呼ばれてびっくりしたわたしは、声の出どころを探す。

「後ろ」

声の通り後ろを向くと、小林くんがわたしのパスケースを持って立っていた。

「これ、落としたよ」

「あ、ありがと…」

のろのろと手が伸ばしてパスケースを受け取ると。

「今野も、帰宅部希望なんだ?」

小林くんが、笑顔で爆弾を落とした。
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