Dear.


「今野、何点だった?」

笑ったまま聞いてくる小林くんに、わたしは若干怒りながら言う。

「どうだろうね…。小林くんは?」

「うーん、俺は……」

小林くんは、声を潜めた。

「言わない?」

「え、う、うん」

わたしがうなずくと、小林くんは、机に数字を書いた。

『430点』

「う、嘘……」

平均点は320点だったはず。

わたしと、遠すぎる…。

わたしは、うつむいた。
< 47 / 192 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop