人は見た目で恋をする。


「お、俺…ずっと前から中村さんのことカワイイなって思ってて…俺と付き合ってください!!」


そう言って目の前で頭を下げる男子生徒。

ここは告白するにはお決まりの体育館の裏。

彼が次に顔を上げた時、期待の眼差しで私を見つめる。


「…ごめんなさい。私、好きな人がいるの…。だからあなたとはお付き合いできません…」

「そうなんだ…。
はは、中村さんが好きになる奴なら俺なんかに勝ち目ないね…」

「…ごめんね…。
でも…好きになってくれてどうもありがとう…」

「ううん…。こっちこそ、急に呼び出しちゃってごめんね。
じゃあ…俺行くね」


そう言ってヒラヒラと手を振って教室へ戻って行く男子生徒。

その場には私だけ。

それを確認して…。


「はぁ〜〜〜〜〜〜〜マジかったりぃ」


私の愚痴大会が始まるのだ。

< 2 / 13 >

この作品をシェア

pagetop