毛づくろう猫の道しるべ
「私でよかったら、話を聞くが」
「いえ、その、サッカー部の事なので」
「君はマネージャーかい?」
「はいそうです」
「もしかしたら、櫻井の後に急遽入ってきたという一年生か」
「はい」
「櫻井が喜んでたぞ。いい後輩が入ってくれたって」
「えっ、そうなんですか」
「あいつも急に進路変更して、それでクラブ活動が続けられなくなって、責任感じてたからな。そういえば、君、前に近江と一緒にいた子だな。見たことある」
「は、はい。そういえばそうですね」
そんな話をしているとき、武藤先生が職員室に入ってきた。
積極的な江坂先生が媒介してくれたお蔭で、武藤先生と接し易くなって、なんとか自分の知りたい情報は聞くことができた。
なぜそんな事を聞くのか訪ねられたが、適当に誤魔化し、その後は自分の腕時計をわざと見て慌ててるふりをしながら職員室を去った。
そして、その足で元サッカー部マネージャーの岡本さんに会いに行った。
岡本さんは小柄でチョコチョコとした子リスのような印象があった。
訝しげな表情をして、私に近づいてくると、私は気を配りながら頭を下げた。
「あの、突然すみませんが、なぜサッカー部のマネージャーをやめられたんですか?」
私が脈絡もなく質問すると、岡本さんは目を逸らして困った表情になった。
「もう終わったことだし、私は関係ないわ」
「もしかしたら、嫌がらせとかなかったですか?」
その言葉は岡本さんの嫌な記憶を蘇らせたようだった。
はっとして私を凝視した。
「べ、別にね、今更言ったところで仕方がないしね。私はサッカー部とは関係ないから」
あまり話したがらない様子だったが、私は無遠慮に質問を続けた。
「いえ、その、サッカー部の事なので」
「君はマネージャーかい?」
「はいそうです」
「もしかしたら、櫻井の後に急遽入ってきたという一年生か」
「はい」
「櫻井が喜んでたぞ。いい後輩が入ってくれたって」
「えっ、そうなんですか」
「あいつも急に進路変更して、それでクラブ活動が続けられなくなって、責任感じてたからな。そういえば、君、前に近江と一緒にいた子だな。見たことある」
「は、はい。そういえばそうですね」
そんな話をしているとき、武藤先生が職員室に入ってきた。
積極的な江坂先生が媒介してくれたお蔭で、武藤先生と接し易くなって、なんとか自分の知りたい情報は聞くことができた。
なぜそんな事を聞くのか訪ねられたが、適当に誤魔化し、その後は自分の腕時計をわざと見て慌ててるふりをしながら職員室を去った。
そして、その足で元サッカー部マネージャーの岡本さんに会いに行った。
岡本さんは小柄でチョコチョコとした子リスのような印象があった。
訝しげな表情をして、私に近づいてくると、私は気を配りながら頭を下げた。
「あの、突然すみませんが、なぜサッカー部のマネージャーをやめられたんですか?」
私が脈絡もなく質問すると、岡本さんは目を逸らして困った表情になった。
「もう終わったことだし、私は関係ないわ」
「もしかしたら、嫌がらせとかなかったですか?」
その言葉は岡本さんの嫌な記憶を蘇らせたようだった。
はっとして私を凝視した。
「べ、別にね、今更言ったところで仕方がないしね。私はサッカー部とは関係ないから」
あまり話したがらない様子だったが、私は無遠慮に質問を続けた。