毛づくろう猫の道しるべ
9
「く、草壁先輩、なぜここに」
「あの後どう? 大丈夫だった?」
えっ、あの後?
もしかして告白の事?
そんな、こんな公衆の面前で、その話題は困ってしまう。
「遠山、すごいな。話聞いたけど、顔面でボールを受けたんだってな。ほんとだ、顔が平らになってる」
「えっ、ボール?」
近江君に言われ、思わず顔に触れてしまう。
「ハル、からかうなよ。だけど、千咲都ちゃん、どこも悪いところはないかい?」
「は、はい」
どうやら、怪我の心配をしてくれているだけだった。
それにしても自分の教室で草壁先輩に出会うなんて、考えてもみなかった。
「そろそろ、自分の教室に行かないと遅れてしまうな。とにかくだ。ハル、さっきの話宜しく」
「ああ、わかったよ。しかし、いちいち一年の教室に来るなよ。皆驚いてるだろ」
「お前のバケの皮剥がしに来たのさ。千咲都ちゃん、こいつに騙されるなよ」
「えっ?」
「ふん、余計なお世話だ。遠山も真に受けるな」
「じゃあ、千咲都ちゃん、また後でね」
草壁先輩が私にウインクをする。
なんかビビビビーっと体の中を走りぬけた。
「あの後どう? 大丈夫だった?」
えっ、あの後?
もしかして告白の事?
そんな、こんな公衆の面前で、その話題は困ってしまう。
「遠山、すごいな。話聞いたけど、顔面でボールを受けたんだってな。ほんとだ、顔が平らになってる」
「えっ、ボール?」
近江君に言われ、思わず顔に触れてしまう。
「ハル、からかうなよ。だけど、千咲都ちゃん、どこも悪いところはないかい?」
「は、はい」
どうやら、怪我の心配をしてくれているだけだった。
それにしても自分の教室で草壁先輩に出会うなんて、考えてもみなかった。
「そろそろ、自分の教室に行かないと遅れてしまうな。とにかくだ。ハル、さっきの話宜しく」
「ああ、わかったよ。しかし、いちいち一年の教室に来るなよ。皆驚いてるだろ」
「お前のバケの皮剥がしに来たのさ。千咲都ちゃん、こいつに騙されるなよ」
「えっ?」
「ふん、余計なお世話だ。遠山も真に受けるな」
「じゃあ、千咲都ちゃん、また後でね」
草壁先輩が私にウインクをする。
なんかビビビビーっと体の中を走りぬけた。