毛づくろう猫の道しるべ
6
キスをするのもマネージャーの仕事?
そんなとんでもないローカルルールをぶつけられて、さらに草壁先輩の顔が近づいて、これは焦る。
私はすぐさま持っていたサッカーボールを、草壁先輩の顔にむぎゅって押し付けてしまった。
「うげっ」
草壁先輩は力強く押し付けられて固まっていた。
その間に椅子から立ち上がり逃げようとするが、草壁先輩はすぐさま私の腕を掴んだ。
その足元で、ボールが床に軽く跳ねて転がっていった。
「この扱いはないだろう。酷いな。仮にも俺は先輩だろ」
「でも、私そんなのできません。は、離して下さい」
私の手を取ったまま、草壁先輩は椅子から立ち上がった。
その身長の差から、私を上から見下ろしている。
「千咲都ちゃん。もっと肩の力を抜きなよ。俺のキスを受け入れたら、君も考えが変わると思うんだけどな」
「む、む、無理です」
「それって、好きな人が居るって事かい?」
「えっ」
「この俺のキスを拒むくらいだ。余程の理由がなければおかしいじゃないか。他に俺を納得させる理由があるのなら、それを答えなさい」
まただ。
付き合うことを断ったときも理由を求められた。
そんなとんでもないローカルルールをぶつけられて、さらに草壁先輩の顔が近づいて、これは焦る。
私はすぐさま持っていたサッカーボールを、草壁先輩の顔にむぎゅって押し付けてしまった。
「うげっ」
草壁先輩は力強く押し付けられて固まっていた。
その間に椅子から立ち上がり逃げようとするが、草壁先輩はすぐさま私の腕を掴んだ。
その足元で、ボールが床に軽く跳ねて転がっていった。
「この扱いはないだろう。酷いな。仮にも俺は先輩だろ」
「でも、私そんなのできません。は、離して下さい」
私の手を取ったまま、草壁先輩は椅子から立ち上がった。
その身長の差から、私を上から見下ろしている。
「千咲都ちゃん。もっと肩の力を抜きなよ。俺のキスを受け入れたら、君も考えが変わると思うんだけどな」
「む、む、無理です」
「それって、好きな人が居るって事かい?」
「えっ」
「この俺のキスを拒むくらいだ。余程の理由がなければおかしいじゃないか。他に俺を納得させる理由があるのなら、それを答えなさい」
まただ。
付き合うことを断ったときも理由を求められた。