毛づくろう猫の道しるべ
3
一度、近江君と接触があってから、私はどこか彼を意識するようになったのか、常に私の視界に入ってくる。
クラスはすでにグループが出来上がっているが、クラスメートのそれぞれの顔と名前が一致し、誰がどこに所属しているかまで見分けがつくようになっているこの時、近江君がどこのグループにも属さずにいつも一人でいるから余計に際立って目に入ってくる。
苛めにあっているのかとも思ったけど、そんな様子もなく、悪口を耳にするという事も私の知ってるところない。
近江君も嫌われる要素などなく、常にきっちりとしてまじめだった。
いつも机について本を読んでる姿は勤勉そのものであり、何かと物静かで問題を起こす生徒では全くなかった。
コミュニケーションを取るのが苦手で、極力、人を遠ざけてるのかと思えば、他の男子生徒と朝の挨拶はしてる様子であったり、また私も一度声を掛けられているから、今よく話題になるコミュニケーション障害とも思えない。
私だったら絶対自分から異性に余程の用事がない限り、声なんて掛けないと思う。
授業中も積極的に先生に質問したり、当てられても正確な答えを言ったりと、優等生タイプでもある。
なぜ頑なにいつも一人でいるのだろう。
それが不思議で、好奇心から隠された謎を求めて、私の視線は時々近江君に向かってしまっていた。
クラスはすでにグループが出来上がっているが、クラスメートのそれぞれの顔と名前が一致し、誰がどこに所属しているかまで見分けがつくようになっているこの時、近江君がどこのグループにも属さずにいつも一人でいるから余計に際立って目に入ってくる。
苛めにあっているのかとも思ったけど、そんな様子もなく、悪口を耳にするという事も私の知ってるところない。
近江君も嫌われる要素などなく、常にきっちりとしてまじめだった。
いつも机について本を読んでる姿は勤勉そのものであり、何かと物静かで問題を起こす生徒では全くなかった。
コミュニケーションを取るのが苦手で、極力、人を遠ざけてるのかと思えば、他の男子生徒と朝の挨拶はしてる様子であったり、また私も一度声を掛けられているから、今よく話題になるコミュニケーション障害とも思えない。
私だったら絶対自分から異性に余程の用事がない限り、声なんて掛けないと思う。
授業中も積極的に先生に質問したり、当てられても正確な答えを言ったりと、優等生タイプでもある。
なぜ頑なにいつも一人でいるのだろう。
それが不思議で、好奇心から隠された謎を求めて、私の視線は時々近江君に向かってしまっていた。