毛づくろう猫の道しるべ
5
普段大人しい私が、いきなり空気を読まずに「先生!」と叫んだ。
クラスの担任の唐沢先生は一瞬何事かと動きを止めた。
「どうした、遠山」
「クラスに提案があります。みんなでクラス写真が撮りたいんです」
「クラス写真? なぜ今頃に?」
「ほんの少しだけ時間を下さい。カメラは持ってきてます。すぐに終わらせますので」
私は席を立ち上がり、皆に呼びかけた。
「皆さん協力お願いします」
突拍子もない提案に、みんなが口々に言い出した。
面倒くさい、勝手にすれば、やろうやろう、馬鹿らしい、面白いかも、なんで急にまた、それらが一つに混ざり合って、クラスがザワザワとする。
「お願いします」
大きな声で再び叫んだことで、クラスは一瞬しんとした。
なぜ私がそんな事を言い出したのか、きっと誰もわからないだろう。
でも私は真剣だった。
どうしてもクラス全員が写った集合写真が欲しかった。
近江君も一緒に入ったこのクラスの集合写真が。
「先生、撮りましょうよ」
希莉が援護してくれた。
そして立ち上がると、柚実も「みんな撮ろう」と流れを作ってくれた。
クラスの担任の唐沢先生は一瞬何事かと動きを止めた。
「どうした、遠山」
「クラスに提案があります。みんなでクラス写真が撮りたいんです」
「クラス写真? なぜ今頃に?」
「ほんの少しだけ時間を下さい。カメラは持ってきてます。すぐに終わらせますので」
私は席を立ち上がり、皆に呼びかけた。
「皆さん協力お願いします」
突拍子もない提案に、みんなが口々に言い出した。
面倒くさい、勝手にすれば、やろうやろう、馬鹿らしい、面白いかも、なんで急にまた、それらが一つに混ざり合って、クラスがザワザワとする。
「お願いします」
大きな声で再び叫んだことで、クラスは一瞬しんとした。
なぜ私がそんな事を言い出したのか、きっと誰もわからないだろう。
でも私は真剣だった。
どうしてもクラス全員が写った集合写真が欲しかった。
近江君も一緒に入ったこのクラスの集合写真が。
「先生、撮りましょうよ」
希莉が援護してくれた。
そして立ち上がると、柚実も「みんな撮ろう」と流れを作ってくれた。